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2009
07.13

油の汗

Category: 未分類
九二 多方向から背骨を見る 

だいぶ汗かいたな。
「そりゃそうだべ。こんな背骨を押し付けたまま盆踊りするなんて難儀なことさせてよぉ。踊りにくくて大変だったは。しかも何回もぉ」
んでも、いろんな発見あったべぇぁ。
「柱に押し付ける背骨の場所が変わると、踊りの動きも変わったなぇ」
それと?
「最初は肉が邪魔して骨がなかなか出てこねぇ感じだったげど、だんだん骨が出てきた」
ほうか。
ほんじゃ次の稽古さ行くか。
「ええよ」
筋肉の力を抜くと骨が出てきやすいべ。
「んだな」
じゃあ、骨の周りさよ、いっぱい脂肪がのってたらどうすっぺ。
「んだなぁ。それは困ったなぁ。脂肪は力が抜けねえからなぁ、どうするべぇ」
どうするべぇなあ。
ところでよぉ、おめぇよ、ガマの油売りって知ってっか?
「おお。知ってだ。知ってだ。
こんな感じだべ。
取りい出したるこのガマは、そんじょそこらのガマじゃねぇ。知らずと知れた四六のガマだ。
四六五六はどこで見る。
前指四本後ろが六本。これを称して四六のガマだ。
このガマ四面の鏡に入れて、おのが姿に驚ろかす。醜いからだを間近に見据え、タラーリタラリと油汗。
これをすきとり柳にて、トローリトロリと煮つめたら、それがこちらだ、ガマの油だ。
何に効くかは慌てるな。ひびにあかぎれしもやけに、大の男が七転八倒、虫歯の痛みも止らせる。
いぼ痔はれもの一切合切、刃物の切れ口さえ止める。
さてさてここに取り出すは、夏なほ寒き氷の刃。
一枚の紙が二枚へと、二枚の紙が四枚へ、四枚が八、八が十六、十六枚が三十と二枚、三十二枚が六十四枚、六十四枚が一束と二十八枚、ほれこの通り、ふっと散らせば雪降る姿。
しかれどこんな名刀も、一たび油をつけたれば、たちまち切れ味止まるのよ。押しても引いても切れはせぬ。
しかーしこれが驚いた。奇麗にさっぱりふき取れば、ほらほら元ある切れ味に。
さてさてさーてお立合。遠慮は無用だ、のどチンコ、どしどし買って行きやがれ。
だべ」
おめぇ、プロかぇ。
「ちょっと口上に凝ってたことがあってよ」
だったら、話は早いべゃ。
盆踊りで汗をかいた後は、今度はじいっと止まって汗をかくべ。
しかも油の汗をかくべ。ガマの油の採り方を真似てよ。
こんな蒸し熱い日にはぴったりだと思うよ。
「なんだぇそれ?」
ここが一番、脂に埋もれったなぁと思う骨一つ壁に押し付けて、その骨を四六のガマと想定するんだ。
ガマは鏡の中に入れられて自分の醜さに油汗をタラリと流すした。
それと同じように、おめぇが鏡の役になって押し付けた骨を前後左右上下からじっと見つめるのよ。
そしたら脂肪たんまりの骨が自分の醜さに気がづいて油汗をタラーリタラリと流す寸法だ。
「いやはや、またまた難しい課題ばっかり出すなぇ。
なになに、骨を前から見て、後ろから見て・・・
目なんぞ、そんなにあるもんかえ。言っていることちぐはぐだ。おいらにゃ、さっぱりわからねぇ」
なんか、歯切れがよくなって、口上めいてきたなえ。
そうかいそうかい、いい稽古だと思ったんだげんど。
「骨がひとおつ鏡の箱に入っている、でもいいのなら、そういうやつなら話は別だ」
それで、ええ!
「そんじゃあ、ちょっくらやってみる。お目めをつぶってやってみる。
んんとー、よしよし、背骨っこを鏡の箱に入れました。
それからふたを閉めますぞ。
おおおお、なんと鏡の箱は光が入らず真っ暗だ。」
おいおい、大丈夫か?
「ちょこっと隙間を開けたから、薄日がさして大丈夫だ」
まあ、自分のやりかたで地道にがんばってけろは。

つづく
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