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2009
06.04

「押す引く」戦争勃発

Category: 未分類
七四 何でも引いてみる 

朝ごはんのとき小学校の息子がつぶやいた。
「学校で交通教室あるから今日は自転車引いていかなきゃいけねぇ。乗ってっちゃダメだから」
するとおっ母が意外なセリフを吐いた。
「自転車は引かねべ、押す、だべ」。
俺は黙っていられなかった。
「昔から日本人は何でもひくんだぞ。
むしろをひく、楽器をひく、風邪をひく、のこぎりをひく、目をひく、辞書をひく、水をひく、線をひく、血をひく、豆をひく・・・
自転車だって引くに決まってるべ。
それだけでねぇ。
合う、上げる、当てる、入れる、受ける、起こす、替える、篭る、下がる、裂く、絞る、締まる、摺る、立つ、継ぐ、続く、連れる、止める、取る、抜く、伸ばす、回す、寄せる、渡す・・・
動作を表す言葉の上に「引き」を加えて、引き受ける、引き立つ、引き締まるっていうふうに実感の強まる動詞をつくったんだ。
自分に引き寄せて、体験として語れる言葉にしてよ」。
おっ母も返してきた。
「そんな理屈はどうでもええ。押して行く、と表現すると元気な感じがするべした。引いて行く、にはトボトボと歩いている光景が目に浮かぶ。寂しさや疲れが感じられる。朝は元気が一番。押していけ」。
なるほど、なるほど。
しかし、ここで引き下がっては動法人としての名がすたる。
俺は息子に向かって言った。
「日本男児なら寂しさや疲れもどんと背負って引いて行け、そっちの方がカッコいいぞ」
「うるせぇ。そんなのどうでもいいべ」
高校生の息子の一喝で「押す引く」戦争はあっけなく幕を閉じ、仲右エ門家はおのおの無言で食器をひいたのであった。
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