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昔々、まだ学校で体罰が無かったころ

二三〇 知っている昔、知らない昔

「日本の児童は、ほとんど野放しであり、したい放題で、遊びたわむれる。小学校に入学すると、同窓たちの大勢と笑ったり飛びはねたりする。単なる慰安の集まりと思われる。仲よくデモクラシーの印象深い場面を提供する。海軍将軍の子、陸軍将軍の子、代議士の子、判事の子、資本家の金持ちの子が、もっとも身分の低い職人の子と遊びたわむれる。
 教師はおどかさない。教師からどなりつけられるとか、体罰とかをうけない。教師は児童の愛らしい感情にとらえられて、ともに遊びたわむれとともに笑う。いわば兄のようなものに過ぎない。しつけの問題には教師はほとんど身を入れない」
1925年(大正12)に徳島で書き上げられ、翌年ポルトガルで出版されたモラエスの風土記「日本精神」の一節である。モラエスはポルトガルの海軍として徳島に常駐し、日本文化のあまりの美しさに、移住を決心した。


体罰問題の話になると「昔は先生に殴られるのは当たり前だった。今の子供たちは甘い」という声をよく聞く。その人たちの「昔」とは、自分たちの小さかった頃の話である。戦後のことである。戦時中の空気がまだ教室にも残っていた時代である。その人たちは、そのまた「昔」のことを何も知らないで、「昔」を語っている。自分が体験していない、記憶に無い、昔のこと。
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テーマ : 思うこと - ジャンル : 学問・文化・芸術

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