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2010
03.10

くるまの友 

Category: 未分類
一五六 話してみる

車が滑りました。
ポールに激突しました。
車が壊れました。
僕は無事でした。
警察の説教を受けました。
車に手を合わせました。
車にお辞儀をしました。
悲しくなりました。

新車がやってきました。
同級生のお店からきました。
お話しを聞きました。
暖気してから乗れと言われました。
今の車は性能がいいとも言われました。
車に乗りました。
新車に乗りました。
どきどきしました。

ダンボールから本を出しました。
「10万キロ走っても故障しない本」と書いてありました。
慣らし運転、のページを開きました。
「新車、一万キロまでは低速で走ること」
できない、と思いました。
「アクセルがフッと軽くなるときがある」
「もっと走る準備ができた、さあ、行こうと車が言っている」
わかると思いました。

店長は言いました。
「お前にだけ教えると」
店長は僕が変なことを話したのでそんなことを言いました。
変なことというのは僕にとっては変なことではないのですが、一般的に変かもしれない変なことです。
僕は「車の調子が悪いとき、車と話すると変わる」と言っただけです。
店長は僕の顔色をうかがってから口をひらきました。
「車の調子悪いからみてくれ、とやってくるお客さんの大半が、それで解決する」
店長は笑いました。
「お客さんの言っていることのほとんどが理解不能。わからない。何を調子悪いと言っているのか、何が気に入らないのか、全く」
僕も店長の言っていることが理解不能でした。
店長はアメリカ人のように両手を挙げて首を横に傾けました。
「例えば、変な音がするってお客さんが言う。俺には変な音に思えない。けれど一通り点検する。こっちも商売だからね。点検だけだけど」
店長は真顔になりました。
「点検がひととおり終わったあと、最後に、これだけはしなくちゃいけない、というのがある。
これでOK大丈夫って車に話すこと。そうすると大抵、うまくいく。お客さんは満足してくれるよ。
お蔭様で調子よくなりましたって」
店長の目はプロになっていました。

ぼくは車が好きな人を沢山知っています。
いろんな車に乗せてもらいました。
大型タンクローリーに乗ったときは二階から眺めているようでした。
前の車がとても小さくてチョロチョロしていました。
踏み潰したくなりました。
高級外車に乗ったときはバブルの社長になった気分でした。
人に見せびらかしたくなりました。
耕運機に乗ったときは誠実な百姓になれました。

車が好きな怖い人がいました・・・つづく

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dot 2010.03.20 01:43 | 編集
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