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2009
10.15

本式ジャンケン

Category: 未分類
一三一 場が立ちあがる

その小学校の家庭科クラブは、男の子が五人もいたなだ。
だから、茶は本来男が嗜んでいたもので、戦に出向く前、腹を据えるため覚悟を決めるために服した。今でもその名残りで、仕事はじめに茶を服してほんじゃやるかって気合を入れる。そういう話をしたなだ。
加えて本式の相撲の話をしたなだ。
互いに見合って、時間無制限に、気が合うまで立ち会わない。気が合えば一発で立ち会うって話。
六年生の男子一人と目が合ったから、じゃあ、本式ジャンケンすっぺ、って言ったなだ。
「相撲とおんなじように相手の目を見たまんま、自分の腹がきまるまでじっと待つ。そして、よし!今だ!と思ったら何の前置きもなくいきなり、ぽ!っと出す。こんな感じだ。いいか?」
相手がうなずいたから、早速始めたなだ。
しばらくじっと互いに見つめ合った。
なかなかいい目をしている。キラキラしている。
不敵な笑みも浮かべている。
俺もやる気がたかまってきた。
気がついたら、ギャラリーもじっと俺らを見つめている。
場の緊張感も増してきた。
いい感じだ。
そう思っていたら、変な気分になった。
二人を囲むように透明な空間がスーッと立ち上がってきたような気がしたなだ。
錯覚だべね。
だけんど、その空間に囲まれているとさっきまでの緊張感が消えていく。そしてひたすら集注できる。
よし!っと思ったら同時だった。
ポン!
チョキとパー。
俺の勝ちだった。
その瞬間に空間は崩れて、部屋はもとに戻ったよ。


俺はよ、これは神事だと思ったなだ。
勝ちとか負けはどうでもよくなる。
個人の損得じゃなくて、もっと大事なものに集注していく。
何かの兆しを知る占いとか太平の祈りとか。
そんなふうにも思った。
不思議だな。
ただのジャンケンがそういうものに変貌していったなだ。

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