--
--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2009
09.04

スピードにのる儀式

Category: 未分類
一一六 段取る

小6の息子がさえない顔でやってきた。
「100m走、速く走れるコツ、何かない?」
「そんなのあったら、誰も苦労しねべ」
おちょくってみた。
反応なしだ。
しょうがないから教えた。
「お前よ、走っててスピードにのってるなあって感じるか?」
「感じね」
「そうか。そんじゃ走ってて面白くないな」
「・・・」
「お前よ、最初っから最後まで一生懸命走ってるべ」
「・・・んだ」
「なかなか前に進まねべ」
「進まね」
「なるほど。
お前、スピードにのって走るって分かるか?」
「分かる」
「どんなときそう思った?」
「長距離走ったとき、最後の方」
「どんな感じだった?」
「なんか、すーっと進む感じ」
「それが分かれば簡単だ。
んじゃよ、これからお前に短距離でスピードにのる方法を教えるぞ。
この通りに走ると間違いなく速くなる。
いいか。
最初の20mは50%くらいの力で走る。軽く早くさささって。
次の50mまでは70%くらいの力で走る。
そして徐々に力を増していく。
60mで80%、70mで90%、
100%一生懸命走るのは最後の20mだけ。80mからだけ一生懸命走る。
そうすっと、スピードにのって走れるぞ」
「50%って半分の速さで?」
「半分の力だ。速さはちょっと遅くなる程度だ。力まねで軽やかにいく感じだ」
「・・・分かった、やってみる」
そう言って息子は部屋から出て行った。

次の日、またやってきた。
「速くなったっけ」
「うまくいったか?」
「うまくいった!」
嬉しそうだった。
「最初、力を抜いて走ってみたんだ。ビリだったけんど、ささっと走った。
そしたら真ん中過ぎてから二人越した。3位になった。もう少しであとの二人も追い越せそうだった。だんだんスピードが出るって感じがした!」
「そりゃ、ええがったなあ」
「今まで5位だったからよ」
「何人で?」
「5人で」
「・・・そう、か」
「今度の運動会、このやり方で走ってみる」
そう言って息子は部屋から出ていった。



気持ちで一生懸命っていうのは、からだを強引にあつかってるってことになるべな。
からだは反発するべ。
はやる気持ちをいったん脇に置いて、手順に真剣になる。段取り運びに集中する。
そうすれば、からだに注意がいきはじめる。
からだと共にいる感じがでてくる。
からだは反発しなくなる。
からだへの信頼感が生まれる。
からだへの礼節がはじまる。
気持ちは後からついてくる。

つまりは100mの中で、「スピード」という感覚が出現するための儀式を、ちゃんとするってことだこてね。


それにしても、あいつは本番でちゃんと儀式できんなだぺか。
明日だは。


関連記事

トラックバックURL
http://nakaemon.blog67.fc2.com/tb.php/118-b8b3e3ea
トラックバック
コメント
futayotuさんへ

同感だなっし。
俺も争うのは苦手だっし。
勝ちたい人が隣にいると、フッと譲ってしまいたくなるものな。

とは言うものの、気づいたら競争しているってとこいっぱいあるなぁ。
人との競争だけでなくて、自分の弱さに勝とうとしているとか。
自分の中でやってる。
面白ぇな。

そこでよ
「きそひ」の追求も必要だとは思うけんどよ
まずは「弱腰クインテット」ったなや。
仲右エ門dot 2009.09.20 06:15 | 編集
> 勝った人は負けた人に頭さげないとなっし。

この間もそうでしたが、選挙で当選すると"万歳"するの、
わたしは好きじゃないなぁと思って見てます。
その人を推した周りの人はともかく。。。
柔道や、相撲、剣道などは、ガッツポーズなどタブーだそうで、
相手に対する礼節が、感じられて素敵だと思います。
私は競争って苦手です。。。
futaba*yotsubadot 2009.09.20 02:15 | 編集
ハードルで100%になったって、なるほど!考えてもみなかったっし。きっとそうだは。


それにしても競争って、変だなっし。
負ける人がいないと成立しない。一人じゃ勝てない。

勝った人は負けた人に頭さげないとなっし。
仲右エ門dot 2009.09.19 19:46 | 編集
「うつ」に対する色々な解釈(?)また、面白いですね。
『暗い中に閉じ篭ることが実は孵化の準備をしていることだったり・・・ 』
というところ、自分もそうだったらいいなぁって思います。。。
『孵化』…『羽化?』・・・できたら素敵だなあ☆

わたしも気になってましたが…
ハードル一位って凄いじゃないですか!!
もしかしたら、100m走で80%までいって、
ハードルで100%になったのかも!
きっと、100m走まで全部使って儀式だったのかもしれませんね☆
絶対、それまでの準備が役に立ったのだと思います!おめでとう!!
futaba*yotsubadot 2009.09.18 06:13 | 編集
蜜を求める蜂さんへ

結果は
ビリでした。
ガク。
本人の名誉のために付け加えれば、次の種目のハードル走は同じメンバーで走って一位だったど。
初めてだったんだと。
開き直って絶対勝つ!とフライング気味にスタートしたらそのまんまゴールしたんだと。
気合!本番はなにはともあれ気持ちで勝つ!
結局これに落ち着いてしまったは。
おれ言ってたことと真逆だしたねぇ。
仲右エ門dot 2009.09.11 06:13 | 編集
futa*yostuさんへ

ほだがっし。
お役に立ててなによりだっし。

鬱っていう言葉、どっからきたんだべね。
鬱は漢語だから日本にはなかったね。
もともとあった和語の「虚(うつ)」に「鬱」が関係づけられたんだべかね。
和語の「うつ」という言葉はかなり派生力が豊かなだ。
(うつ)空、移、写、映、現、全
いろんな漢字があてがわれてる。
いろんな意味合いで使われった。
日本人のいろんな実感がその「うつ」という言葉の中に内包されったんだべね。
空だと思っていたら実は全てが在ったり、他人のものだと思っていたものが気がついたら自分のものだったり、現実的で確かだと信じていたものが現実こそ移つろい流れているものだったり、暗い中に閉じ篭ることが実は孵化の準備をしていることだったり・・・
今は切り離されて使われてるけんど、日本人にとって「うつ」は大事な、幅の拾い、連続した体験の総称だったんだべね。

まとまりつかないこと書いてしまったは。ごめんなっし。
ほんと人ごとだなぇ。
これからも適当につまみ食いしておごやいな。
仲右エ門dot 2009.09.11 05:52 | 編集
微笑ましいお話ですね。
本番でどうなったか気になります。
蜜を求める蜂dot 2009.09.10 20:55 | 編集
私も小学生の頃、走るのが遅くて、7人中の6位か7位でした。。。
こんなアドバイスを貰えていたらなぁと、思います。

でも走りの話でなくて、このお話は、
今の私にとって、"目から鱗" の思いで拝読しました。。。 

"うつ"という病気は一生懸命になれなくなる(?)病気なんですけど、
もともと"一生懸命が得意" な人が、なりやすいものでもあります。
だから、治療のはじめとして
『一生懸命をやめる』ことが必要なのですけど、
今度は、一生懸命のコントロールの仕方が分からなくなってしまって、
毎日のことを少しでもやろうと思うと、気持ちを無理に動かして、
それから体を無理に動かさないと、なかなかできないので大問題です。
もう、日常のちょっとしたことでも、
気持ちも体も反発してしまって大変です(´Д`:)˙´

> 気持ちで一生懸命っていうのは、
 からだを強引にあつかってるってことになる
> からだは反発する…
まんまです。
でも「どうすればいいんだったかな。」と段取りを考えると、
頭の中が真っ白になったり、目が回ってきてしまったりするので、
考えるのをすぐに止めてしまっていました。
きっと、初めから普通のペースで出来ないことが、
とても辛抱できないのかもしれません。。。
でも、、、
> はやる気持ちをいったん脇に置いて…

もしかしたら、もう少し慌てずに、落ち着いて、
手順に真剣に、段取り運びに集中してみたら…?
心と身体が少しずつ近づいて、共にいる感じがするかもしれない。
からだへの信頼感と、礼節をもった関係を、
取り戻せるかもしれない!と、思えてきました。

今は、スピードもなにも、
全くよろけてうまく立てなくて、動けずにいますが、
段取りから入ってゆっくり助走し、ペースにのって歩めるように、
色々やってみたいという想いです。
仲右エ門さんの記事が良いヒントになるかも!
ありがとうございますm(u u)m。
効果があったらお伝えしますね。

長くなってしまってすみません。。。
『縁、…』に表示していただき、こちらこそ有難うございます☆
futaba*yotsubadot 2009.09.10 00:17 | 編集
管理者にだけ表示を許可する
 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。